大判例

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山崎簡易裁判所 事件番号不詳 判決

主文

被告人は無罪

理由

本件公訴事実は被告人は自動車の運転者なるところ昭和三一年一一月二〇日午後〇時三〇分頃兵一あ九〇一一号けん引自動車に被けん引車をけん引して時速約五キロメートルの速度で兵庫県宍栗郡波賀町野尻字向山所属道路を南進中折柄同道路の右側に小林鹿治郎当六八歳が右自動車を避譲しているのを相当手前で発見したものでその左側を進行しようとしたものであるがこの道路は幅員が四、三メートルしかない狭い道路であり左側はすぐ山、右側は谷川で石垣になつた上曲つているので非常に危険な道路であり一方被告人の自動車はけん引車に被けん引車をつけた全長一四、七五メートルの大型車であるからけん引車が無事通過しても被けん引車が曲つた道路では同じ車輪跡を通過しないおそれのある車であるからかような場所に避譲者があるときは危険であるからまず避譲者を安全な場所に避譲させた上進行するか一たん停車して避譲者をとおした後で進行しよつて事故の発生を未然に防止する業務上の注意義務があるのにかかわらず被告人はこれを怠り何等その方法を講じないでしかも運転にのみ気を取られ右小林が危険を感じ停車を呼んでいるのに気付かず運転した過失により同人をして、接触を避けるため後方にのかんとした際石垣より五メートル低い引原川に転落するに至らしめよつて同人に対し治療約六ケ月を要する頭蓋骨々折等を与えるに至つたものであるというにあるが被告人に当時業務上の過失ありたるものと断ずるに十分なる証明がないから刑事訴訟法第三三六条により被告人に対し無罪の言渡をなすべきものとして主文のとおり判決する。(昭和三三年一二月二四日山崎簡易裁判所)

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